エース涌井5勝目も ロッテフロントが手放しで喜べない理由
ロッテ涌井の勢いが止まらない。
13日のソフトバンク戦で今季8試合目の先発マウンドに上がると、7回6安打2失点。リーグトップタイの5勝目を挙げた。
「チームが連勝中だったので流れを止めずにと思っていた。(5勝は)リーグトップ? まだ5月なんで。シーズンが終わった時に1番(の勝利数)になりたい」(涌井)
ここ3試合は3連勝。このペースなら10年を最後に遠ざかっているシーズン2ケタ勝利どころか、最多勝(17勝)に輝いた07年に匹敵する勝ち星を挙げる可能性すらある。そんなエースの完全復活に首脳陣はニンマリだが、手放しで喜べないのがフロント陣だ。
14年にFAでロッテ入りした涌井は今季が2年契約の2年目。このまま勝ち星を積み上げれば、オフの年俸高騰は必至で、仮に15勝以上すれば、球団は14年に結んだ2年総額4億4000万円以上の契約を余儀なくされる。
しかも涌井はカネにうるさい。5年連続2ケタ勝利を挙げた西武時代の10年オフには「活躍に見合った年俸を」と球団と4度の交渉の末、年俸調停に発展。最終的に大幅アップを勝ち取った。そんな経緯をロッテのフロント陣も知っているため、涌井の大躍進も考えものなのだ。
「おそらく2ケタ勝利なら、涌井は年俸ベースで3億円以上の複数年契約を要求してくるはず。うちの球団にとっては厳しい条件です。今から両者のバトルが懸念されています」と、さるチーム関係者は今から懸念している。