初登板初先発でKOも…ロッテ田中英の成長阻む“過剰な同情”
「球場入りの直後から、ガッチガチでしたよ。ロッカールームでもずっと目が泳いでいる感じで、盛んに体を揺らしたり、何度も手を振ったり、とにかく落ち着きがなかった。見ていて気の毒になるほどでした」
ある選手の証言だ。29日の西武戦でロッテのドラフト2位新人の田中英祐(23)がプロ初登板初先発。プロ野球界初の京都大学出身選手として大きな注目を集める“異色のルーキー”はしかし、結果的に何もできずにマウンドを降りることになった。
初回の先頭打者からストライクが入らず2連続四球。3番の浅村、4番の中村に連続適時打を浴び、1死後には、高卒2年目の森に2点二塁打を打たれていきなり4点を失った。三回にも3連打で1点を失った田中は3回6安打5失点でKO。「せっかくチャンスをいただいたのに、チームに迷惑をかけてしまった。申し訳ないです」と肩を落とし、頭を下げた。
そんな田中に同情論がある。
「だってそうでしょう。ゴールデンウイークが始まるこの日に初登板を合わされ、しかも、1週間以上も前から先発がファンに告知された。前売りだけで全チケットが完売し、球団は思惑通りと大喜びだったかもしれないけど、本人にはそのすべてがプレッシャーになった。この日は初球から3連続ボールで四球を与えて、続く打者にもストレートの四球。緊張で地に足が着いていなかったのは明らか。京大出身の田中を商売優先で起用した結果がこれですよ。試合後には、KOショックの癒えぬ田中をグラウンドに駆り出し、ファンとのフォトセッションに応じさせていた。田中が気の毒です」(マスコミ関係者)