新国立競技場 「高床式スタジアム」で総工費まだ増える可能性
しかも、巨大アーチの存在が邪魔をして、人工地盤を造るまでに「二度手間、三度手間」のムダな工程が生じるのだ。
「巨大アーチは地上から見える部分だけで全長370メートル。実際には地中に3分の1ほど埋めるので、約600メートルの長さになる。建設地はもともと湿地帯で地盤が緩く、地下30メートルほど掘らなければ、固い地盤にぶつからない。その分、アーチも長くなるのです。地下を掘る前には旧国立を支えた長い杭を抜く必要があり、その数は5000~1万本といわれています。固い地盤にアーチの両端を結ぶ“弓の弦”のような巨大な免震ゴム製の梁を打ったら、再び地下を埋め、その上にやっと人工地盤を……とまあ、つくづくバカらしい計画なのです」(森山高至氏)
さらに人工地盤が「建造物」とみなされれば、建ぺい率オーバーで、新スタジアムが違法建築となる恐れもあるという。もう、どこか別の場所で五輪を開いたらどうなのか。