五輪アナリストが分析 26年ミラノ冬季五輪観戦チケット希望購入「約7割が国外」のカラクリ
昨8日、2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪のチケット一般販売が始まった。過去の大会と比べて価格帯は上昇しているが、今年2月に販売された事前登録者向けの観戦チケットは販売数30万枚に対し、35万人以上の事前登録があった。そのうち、約70%が国外からの申し込みだったという。
つまり、国内からの申し込みは約30%。国内人気が低いのはなぜなのか。イタリアでは3度目となる冬季五輪。国民の五輪人気ゆえの招致成功ではなかったのか。
JOC職員として1998年の長野冬季五輪の招致にも関わった五輪アナリストの春日良一氏はこう分析する。
「五輪期間中、ミラノの人たちは観戦するよりバケーションを楽しもうということでしょう。五輪は特に世界各国から大勢の人が集まりますが、地元の人たちにとっては落ち着かない。1988年のカルガリー冬季五輪の際、外務省職員が滞在する部屋を確保するため、現地の人が住んでいたマンションを借りたことがありました。五輪の喧騒から逃れ、国外に出かける住人が多かったからできたことでした。欧米は日本に比べて休暇も多く、ヨーロッパ諸国で開催される場合は特にその傾向が強いように感じます。そもそも、開催都市はインバウンド目的で海外向けにツアーを組む。その方が結果的に国内の利益にもなるのでしょう。このやり方でパリ五輪が大成功をおさめた。ミラノも狙い通りの展開だと思います」