参加者増やす東京マラソンは「新国立」の“食い物”にされる
関係者にとっては「垂涎の的」だ。
30日、東京マラソン財団は理事会を開催。10回の記念大会となる来年のレースでは、一般ランナー(今年の参加費1万円)の参加者数を従来の3万5500人から1000人増となる3万6500人とすることなどを決めた。これまでは「準エリート」として、提携する国内大会の上位者を招待してきたが、来年は海外レースも対象となる。
東京マラソンは規模もスポンサー収入も国内屈指の大レースだ。現在の運営状況では最大で3万7000人の参加が可能だという。昨年度の東京マラソン財団の事業活動収入は約26億円。今後、参加者が増えれば現在27社あるスポンサー企業はさらに増えることも考えられ、ジリ貧の国内レースが多い中、ますます潤いそうだが、首都で行われるドル箱レースを政治家や役人が放っておくはずがない。
例えば、すったもんだの末に建設計画が正式に決まった新国立競技場をゴール地点にすべく水面下で協議に入っているというのだ。
新国立競技場の建設費は2520億円に上り、完成後の運営・管理費用を巡っては財源を確保するため新たに「プロ野球くじ」の導入まで検討しているほど。年間の維持管理費は35億円との試算もあり、東京マラソンに新国立競技場を使用させることで財団の利益をかすめ取ろうというわけだ。東京マラソンは年に1度のイベントとはいえ、レース1週間前からさまざまなイベントを実施しており、実現すれば莫大な使用料が見込める。