“足かせ”は2つ…金本氏「阪神監督受諾」へ尻込みの真相
■球団の決意表明は世間へのポーズ?
フロントの問題も大きい。南球団社長は13日、電鉄本社で、「チームの雰囲気やムードを変える必要がある。雰囲気とかを一新して、一からつくっていく」と話した。
チームを「一からつくり直す」には、生え抜きが育たない阪神のアキレス腱ともいうべきスカウトや育成部門の強化が不可欠。監督のクビをすげ替えたところで、フロント改革なくして再生はあり得ない。
しかし、「ここはフロントの中枢が変わらない限り、改革などできるはずがない」と放送関係者がこう続ける。
「阪神のフロントは基本的に現役を引退した選手たちの受け皿。能力より波風立てずにやっていくことが優先される。いい例がスカウト部門です。かつては10年間、ひとりも選手を取らなかったスカウトがいたほど。能力主義でスカウトの絶対数を減らし、他球団の血を入れた時期もありましたが、一時的に過ぎない。再び引退選手の再就職先になって数自体も膨れ上がっているのが現状です」
外国人やFA補強に毎年、湯水のごとくカネを使いながら、05年を最後に10年間も優勝から遠ざかっているのは何よりフロントに欠陥があるからだが、勝てなくても甲子園には客が入るから経営的には超優良企業。切迫した事情があるわけではないのだから、「一からつくり直す」という“決意表明”もどれほどのものか。ファンや世間に対するポーズという気すらしてくるし、そんな球団体質は金本氏にとって足かせになりかねないという。