入団時と状況酷似…またも巨人に翻弄される高橋由の“悲哀”
自分自身の希望とは別のところでレールが敷かれる。今回の監督就任要請も確かにそうだ。ここ数年、レギュラーの座こそ譲ったものの、今季も77試合に出場して打率.278、5本塁打、21打点。代打では47試合で.395という高打率をマークし、「切り札」として存在感を示した。本人は当然、現役続行への思いが強く、つい最近も親しい関係者に「引退するつもりはありません」とキッパリ言っている。
球団から監督就任の正式要請を受けたこの日も「来季に向けて選手として気持ちを切り替えていたところだった。まだ引退したわけでもないですし」と口にした。
返事は保留したが、学生時代からの高橋由の盟友・二岡智宏(39)の入閣が検討されるなど、事態は「高橋由監督誕生」に向けて動きつつある。この日の交渉では、わざわざ長嶋終身名誉監督のコメントが伝えられ、報道陣にも明かされた。
「僕は39歳で監督になった。高橋君は40歳。高橋君しかいない。今は若い監督が率いて切り替える時期。サポートできることは何でもする」
すでに外堀は埋められている。入団時がそうだったように、高橋由は恐らく今回も「イエス」と言うだろう。
物分かりが良すぎる性格は、指揮官として必ずしもプラスにはならないが……。