SB工藤監督「和田特別扱い発言」の真意を権藤博氏が解説
コラム【権藤博の流儀】
「ボクの中で『横一線』はない。力の世界では当然のことです」
ソフトバンク工藤公康監督(52)の言葉だ。
12年にメジャー挑戦した和田毅(34)が5年ぶりに古巣ソフトバンクに復帰。その入団会見に同席した工藤監督が「彼ぐらい実績のある投手が実績のない投手と一緒のラインで戦うことはない」と早くも来季の開幕先発ローテ入りを確約し、冒頭のセリフを続けた。
ホークス時代に9年間で107勝を挙げた実績を認め、特別扱いすると明言したわけである。
監督の中には、シーズンが終わると「来季のレギュラーは白紙」「キャンプは横一線の競争」などと強調する人が多くいる。新監督は特にそうだ。いかにも物分かりが良さそうに、聞こえのいいことを言って選手の競争意識を煽ろうとするのだが、ほとんどの場合がウソだと断言していい。
チームを見渡し、「あそこに若い選手が台頭してきてくれたらなぁ」というポジションはあっても、「横一線」はあり得ない。プロの世界には厳然と実力差があり、監督の頭を開いてのぞけば、どのポジションにも優先順位の高い選手が並んでいるはず。そして、そうしたチーム内の序列をもっともよく理解しているのが、当の選手たちだ。