藤川、高橋に大盤振る舞い 拙速補強が金本阪神のクビしめる
新監督をバックアップしたい気持ちは分かるが、活躍できるかできないか分からない中継ぎ投手に、それだけの大金をつぎ込む意図が理解できない。
阪神が今オフ、藤川球児(35)を「2年4億円」、元中日の高橋聡(32)を「3年1億5000万円」で獲得したことだ。
藤川は球団の功労者とはいえ、最多セーブを記録(41)した4年前同様のパフォーマンスが、果たして期待できるのかどうか。メジャー3年間で29試合1勝1敗2セーブ。一昨年にトミー・ジョン手術を受け、回復具合も気になる。
高橋にしても最も活躍したのは5年前(63試合4勝1敗31H、防御率1.61)で、それ以降パッとした成績は残していない。今年は35試合3勝3敗6H、防御率3.51だった。ある意味、ギャンブルみたいな補強なのにこれだけの大金を払うのだから、よっぽどカネが余っているか、あるいはカネの使い道を知らないのか。
「今季年俸が3000万円の高橋は福原忍(1億2000万円)、安藤優也(8500万円)に次いで中継ぎ投手陣3番目の高年俸になり、藤川に至っては日本人投手最高額です。それなりの金額を積んで獲得したわけですから、結果が出なくてもある程度は我慢して使い続けなければなりません。特に阪神は補強選手を優遇、最初からポジションを与える契約を結んでしまうケースもありますから。2年6億円で入団し、ポジションを確約されながら戦力にならなかった西岡がいい例です。チームがぎくしゃくするばかりか、若手や生え抜きの出場機会は減り、成長を妨げることになりかねません」(阪神OB)
金本監督は藤川に「中継ぎの準備しかしていなければ、先発に行くのはしんどい。できれば先発もできるように……」と伝えたそうだが、よかれと思った球団の大盤振る舞いがアダになる可能性もあるのだ。