今度はワイロ疑惑…「カネとウソ」にまみれた東京五輪
が、そんな子供だましの理屈が通るとでも思っているのか。五輪招致の裏で公にできない大金が動いていることは、過去の大会でも散々指摘されていた。日本も98年長野五輪ではIOC委員に多額のカネをバラまいたといわれている。
■「金銭の流れを公表すべき」
スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は「クリーンが聞いて呆れますよ」と、こう話す。
「それならば招致活動に使った金銭の流れを透明にして、世間に公表すべきでしょう。そもそも、13年の招致演説で安倍首相が福島第1原発の汚染水を『アンダーコントロール』と大嘘をついていますからね。どこがクリーンなのか。日本は150億円をかけて行った16年度の五輪招致に失敗しただけに、20年度は絶対に負けられないと必死になっていた。招致資金は前回の半分、75億円ですが、実際に動いた金額は本当にそれだけなのか。日本はアフリカのIOC委員の票集め対策として、ODA(政府開発援助)を利用しているともいわれています」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は、日本・アフリカ連合(AU)議員連盟の前会長でもある。過去には「アフリカへのODAを増額すべきだ」と提案している。
盗作エンブレムや新国立競技場建設に続き、ワイロという醜聞疑惑も噴出した20年東京五輪。口先だけで「クリーン」と言っても、誰も信じない。