初場所の賜杯争い左右も 角界インフル禍に協会戦々恐々
やはり、日本人力士が絡むと優勝争いが盛り上がる。
共に無敗の横綱白鵬(30)と大関琴奨菊(31)がしのぎを削っている、大相撲初場所。10日目の昨19日もそれぞれ順当に勝ち、ファンを沸かせている。
仮に琴奨菊が優勝すれば、日本出身力士の賜杯は06年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来となる10年ぶり。相撲ファンも、それがイマイチ頼りない琴奨菊ということは気にならないくらい、日本人力士の優勝に飢えている。
が、そんな優勝争いに水を差しかねないのが1敗で追う横綱日馬富士――ではなく、角界で蔓延しているインフルエンザだという。
19日も十両の鏡桜が休場するなど、力士や裏方を問わず、インフルエンザが流行している。安美錦、御嶽海、さらに行司2人を含めて、すでに5人がダウンした。安美錦に至ってはわずか2日休場したのみで土俵に再び上がっている。
インフルエンザは解熱後もウイルスが体内に残っているため、数日間の自宅療養が必要だ。わずか2日休んだだけでは、実に心もとない。しかも、安美錦は「初日から発症していたかも」と言うではないか。休場したのは6日目から。インフルエンザウイルスは長くて1週間ぐらいは潜伏するケースもあるから、優勝争いを繰り広げる白鵬や琴奨菊までダウンしても不思議はないのだ。
かといってマスクをして相撲は取れないし、支度部屋から逃げ出して個室で準備するわけにもいかない。終わってみれば優勝争いを繰り広げる力士は全員インフルエンザに感染。賜杯は誰ともつかぬ力士の手に……。それだけは避けてほしい相撲協会、目に見えないウイルスに戦々恐々だ。