JFA初の会長選 原vs.田嶋の一騎打ちに「J生みの親」異議
「2人とも会長選挙用のマニフェストを掲げているが、基本的な部分で大きな差異があるわけではない。田嶋副会長はFIFA、アジア連盟など国際業務で手腕を発揮。原専務理事は浦和、FC東京で監督を歴任。強化委員長時代はザッケローニ元代表監督、アギーレ前代表監督の選定作業の責任者だった。2人とも不得意分野がある分、JFA内から『タスキとオビみたいなもの』という声が聞こえてくる。理事会投票の19対9については『優勢が伝えられる田嶋氏に“なびいた”理事が多かっただけ』と話す関係者もおり、31日の選挙戦の行方は微妙な情勢です」(前出のジャーナリスト)
■「FIFAの通達に従う必要があったのか」
こういった情勢を踏まえた上で田嶋、原両氏をよく知るJリーグ創設の立役者、木之本興三Jリーグ元専務理事(67)が「田嶋副会長、原専務理事の一騎打ちという状況は『ひとつのコップの中で不要な争いを演じ、どっちが新会長になっても波風が立つだけ』ではないか」とこう続ける。
「これまでの会長選びというのは、理事会の投票という形式を取っていたが、実質的にはJFA幹部が決めたことを理事会が追認するだけ。会長選挙そのものには大賛成です。しかし、田嶋、原両氏ともに技術委員長を経験していることから分かるように、もともと技術畑出身者同士が争っているだけのこと。ただ選挙をやればいい、というものではない。なぜ大仁現会長、小倉前会長が田嶋氏、原氏と話し合い、候補者一本化の努力をしなかったのか、個人的には残念でならない」