4度の挑戦で弁護士に 元G大阪選手が乗り越えた挫折と屈辱
その1年後、満を持して臨んだ3度目の試験もあえなく不合格。強靭な精神力を持つ元Jリーガーもさすがに心身が壊れ始めた。
「家族で外食に行く金銭的余裕もなく、ギリギリの生活でした。家で食べる食材も私や妻の実家から貰うことが多くなっていました。子供に何もしてやれず、自分も惨めになるばかり。仕事を辞め、社会から隔離されていたこともあり、メンタルもボロボロです。そんな状態で長女を幼稚園に送りに行くと、今度は周囲のママ友から『あの人、無職?』と変な目で見られるわけです。さすがに…辛かったですね(苦笑)」
そんな夫を励まし続けたのがJリーガー時代の96年に結婚した妻・真由美さん(45)だった。
仕事を辞める時や無収入の極貧生活にも文句を言わず、夫の成功を信じ続けた。ママ友の視線にも「あなたのことなんて誰も見てへんよ。気にし過ぎや」。あえて笑顔で気持ちを和らげ、周囲との緩衝材を買って出た。
そんな支えもあって、八十さんは05年、4度目の試験で合格率3%の狭き門を突破。自らの手で第2の人生を切り開き、現在は関西を中心に刑事・民事事件に加え、相続や離婚問題など幅広い分野の弁護で活躍を続けている。