釜本氏のU-23パラグアイ戦評 「攻守とも常に後手だった」
それでも、後半の頭から出てきたSB三丸、同12分に交代出場のFWオナイウ、27分に投入されたMF前田は、ベンチで過ごした前半に「もっとアグレッシブに!」と感じ取っていたのだろう。
ピッチに登場すると積極的に相手ゴールに向かっていき、まずまずのプレーを見せてくれた。
MF原川の素晴らしい縦パスを受け、日本唯一のゴールを決めたFW浅野だが、先発2トップを組んだFW富樫とのコンビネーションは、はっきり言っていまひとつだった。
富樫は、4月の代表合宿から五輪代表に加わったばかり。連係不足は当然のことだし、後半序盤にベンチに戻されたとはいえ、富樫自身のデキが悪かったというわけでもない。積極性に欠けるプレーも散見されたが、パラグアイ戦だけで評価を下すのは酷だと思う。
五輪代表は23日にポルトガル戦、25日にギニア戦、27に日イングランド戦をこなす。南米のパラグアイ、欧州のポルトガルとイングランド、そしてアフリカのガーナと各大陸のチームと対戦することは非常に有意義なことである。選手によって欧州向き、アフリカ向きというのもあるし、何よりも「リオ五輪で使い勝手の良い選手」を見極めることが、今の五輪代表に求められているからである。手倉森監督がどんな判断を下すのか、興味深く見守っていきたい。
(日本サッカー協会顧問)