巨人・大田が決勝三塁打 「頭が筋肉」返上で代打に活路も
巨人のスーパーサブが決めた。8日のDeNA戦。1-1の七回2死二、三塁から大田泰示(26)が決勝の2点適時三塁打を放った。カウント3-2からDeNA井納のフォークに狙いを定め、「とにかくバットに当ててヒットゾーンに飛んでくれと思った」とバットを少し短く持って、振り幅を小さくしてコツンと当てた。打球は前進守備の外野をあざ笑うかのように左中間を抜けた。
入団8年目。運動能力は抜群なのに伸び悩んだ。筋骨隆々だが、チームメートには「頭が筋肉」と揶揄される始末。状況判断ができないからである。昨秋のキャンプでも内田打撃コーチに怒られた。
「大田は『センターから右』という打撃練習で低めのボール球を空振りした。引っ張る意識が強いからで、練習の意図を理解していない証拠。まだ高卒1年生の岡本とは立場が違うんだから、何かを変えないといけない」
温厚な名伯楽にしては珍しく厳しい口調。その後、同コーチのアドバイスで打撃改造に着手したものの、後がないことは明らかだった。
スタメン出場すると相手チームが喜ぶ。「変化球さえ投げとけばいい」と弱点があからさまだからだ。打率は.226。春先に外野のレギュラー争いで脱落したものの、高橋監督は二軍ではなく、一軍のベンチに置いた。昨季まで現役だった高橋監督が務めていた「代打の切り札」不在に自身が悩まされており、なんとか大田に、という淡い期待があるからだろう。