カヌー日本人初の銅 羽根田を鍛えた“単身スロバキア留学”
リオ五輪カヌー男子スラロームのカナディアンシングル決勝で、羽根田卓也(29)が銅メダルを獲得した。
決勝は10人の選手で争われた。準決勝を6位で通過した羽根田は5番目に登場。波や水の流れが読みづらい難コースをノーミスで終えて2位につけた。メダルは残る5人の結果待ち。すると、8番目のガルガウシャヌ(フランス)がトップに立ち、3位に落ちるも、ロンドン五輪4位や同五輪銀メダルの強豪たちがゲートに触れるペナルティーを犯し、3位をキープした羽根田は日本人、アジア人としては五輪のカヌーで初のメダルを決めた。
カヌーのスラロームは、激流に設置したゲートを通過し、タイムを争う競技。国内ではあまり脚光を浴びることはないが、羽根田はカヌーをやっていた父の勧めで9歳からカヌースラロームを始め、高校で頂点に立つ。卒業すると、カヌーの強豪国であるスロバキアへ単身で渡った。同国には人工コースやレベルの高い選手が多い。今はスロバキアのコメニウス体育大大学院に通い、「兄貴みたいな存在」というスロバキアのコーチと二人三脚で腕を磨いている。この行動力と向上心が快挙を生んだのだ。