新興国の台頭で金遠く 日本柔道によぎる“ロンドンの悪夢”
リオ五輪柔道の女子52キロ級、男子66キロ級が行われた7日(日本時間8日早朝)、日本はこの日も金メダルに届かなかった。
3大会連続出場となった中村美里(27)は準決勝でケルメンディ(コソボ)に優勢負けで敗退。3位決定戦で延長戦の末にミランダ(ブラジル)を下して北京に続く銅メダルを獲得したものの、試合後は「金メダルが欲しかった。悔しい気持ちでいっぱいです」と涙を見せた。
前回12年のロンドンで3位に終わった海老沼匡(26)も雪辱を誓いながら、同じく準決勝で安バウル(韓国)に優勢で敗れた。3位決定戦でブシャール(カナダ)に背負い投げで一本勝ちして銅メダルを確保したが、こちらも笑顔はなかった。
「本当にぶざまな試合だった。ボクの力不足ですいません……」
日本柔道はロンドンで歴史的惨敗を喫した。男女14階級で金メダルは女子57キロ級の松本薫だけ。男子は64年の東京五輪で柔道競技が採用されて以来、初めて金メダルなしという屈辱にまみれた。
抜本的な改革の必要性に迫られながら、全日本柔道連盟の山下泰裕強化委員長は今五輪を前に、「金メダルを最低でも男女で4つ。できれば6個取りたい」と大風呂敷。昨年の世界選手権で男子73キロ級の大野将平、81キロ級の永瀬貴規、100キロ級の羽賀龍之介、女子52キロ級の中村美里、57キロ級の松本薫、78キロ級の梅木真美が優勝したことからスポーツメディアも、「日本柔道に復活の兆し」と前景気をあおった。