7日にも胴上げ 広島の早すぎるリーグVはCSにどう影響?
広島の優勝マジック4は、昨季2位に終わった巨人の2年連続V逸マジックでもある。広島の胴上げは最短で7日。巨人のある選手は、こんな話をしていた。
「早く優勝しすぎると後が大変ですよ。広島は10月半ばのCSまで緊張感のある試合を1カ月以上もやらないことになる。実戦感覚の問題はよく言われるけど、調整が難しいのは毎年CSに出ているウチが一番分かっている。勝敗を問われない期間が長いと、集中力が途切れたり、気持ちの持っていき方が難しい。CSではそのせいで負けたり、苦戦したことがありましたからね」
最近10年でリーグ優勝6度の巨人の一番早い胴上げは21日。これと比べてもだいぶ早い。14.5ゲームもの大差をつけられ、ぶっちぎられている2位巨人の選手は、CSは勝てるとヤッカミ込みでこう言うのだが、広島の消化試合期間が長くなることは、巨人やそれ以外の4球団に、どう影響するのか。最下位中日のある主力選手は、こう話している。
■消化試合にならない理由は
「(中日は)3位(DeNA)まで5ゲーム差ですか。CSはまだ可能な数字だけど、残り試合(16)のほとんどが広島(6)と巨人(5)の上位チーム。今年、巨人には分がいいですが(12勝7敗1分け)、広島にやられました(6勝12敗1分け)。広島は優勝が決まった後も消化試合にならないんです。例えば、新井さんは打点王(5日現在1位)、菊池は最多安打(同1位)、鈴木誠也は首位打者(同2位)とか、タイトルという目標がある主力が試合に出続けるんです。投手だってジョンソンと野村が13勝で最多勝を争っている。優勝したからって急に消化試合にならない広島は、だから厄介なんです」
成績がいい選手が多いと、優勝後も緊張感を持って最後まで戦えるというのだ。そこへいくと巨人でタイトルがかかっているのは、打率トップの坂本と防御率、奪三振1位の菅野くらい。CSでは広島の優勝ボケより、目標を失って、広島の失速という“他力本願”にすがる巨人の方が、よっぽど心配である。