杉内が秋季C参加 巨人由伸監督に課せられる“見極め”仕事
巨人は1日、5日から18日まで宮崎市で行う秋季キャンプのメンバーを発表した。若手主体で28人。30歳以上では故障からの復活を目指す杉内俊哉(36)がただ一人参加することになった。
15年10月に右股関節の形成手術を受けた杉内は当初、今季の後半戦から復帰する青写真を描いていたが、8月終わりの二軍戦で炎上。一軍昇格は見送られた。この時の球速は130キロ出るか出ないか。「まだ直球がねえ……」と本人が思う一軍レベルには程遠く、ここから直球の質を取り戻すトレーニングに時間を費やしていた。
ソフトバンクから巨人へFA移籍した際の年俸5億円の4年契約が終了し、今季は大減俸の5000万円。来年復活しなければ、年齢的にもジ・エンドだ。球界には前例のない大手術からの復帰。若手ばかりのメンバーの中に、このキャリアのベテランが交じるのは異例中の異例だ。
「杉内は先月のフェニックスリーグ最終戦で2回を零封と好投して来季の復活へ手応えをつかんでいる。ただ、結局シーズンは1年を棒に振っただけに、高橋監督は疑心暗鬼。期待はしてもアテにはできないのが本音でしょう。だから、アピールというレベルじゃないけど、現状を見てもらうために強行参加するのです。一軍の尾花投手コーチとはソフトバンク時代からの古い付き合い。宮崎にいた方が、今後のことを密に話し合いながら進められる。杉内にはキャンプ参加のメリットがそんなところにありますが、2度目の秋季キャンプとなる高橋監督の方は見極め。一軍か二軍か、先発か中継ぎか、はたまた現役か引退か。これをシビアにやらないといけないだけに、こちらは憂鬱でしょうね」(巨人OB)
今年は大物のクビを切らずに済んだ高橋監督。2年目の来季は、チームの功労者に引導を渡す嫌な仕事もしなければならなくなりそうだ。