著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

“ポスト遠藤”最右翼 ヘーレンフェーン小林祐希が胸中語る

公開日: 更新日:

 遠藤保仁(G大阪)が日本代表から去り、不在が続いている「攻撃的ボランチ」に名乗りを上げそうなのが、「本田圭佑(ミラン)2世」の呼び声高きレフティーのMF小林祐希だ。昨夏にオランダ1部ヘーレンフェーンに移籍。主に3ボランチの左を担い、課題とされていた守備力や運動量が飛躍的に向上。その上で16年11月の親善試合オマーン戦では豪快なゴールを決め、改めて攻撃能力の高さを見せつけた。かつての恩師である磐田の名波浩監督は「アイツは他のボランチとは違う。ボールを(相手ゴールの前まで)運んでいって左足を振れる(シュートを打てる)。2.5列目でうまくハマればいい」と大きな期待を寄せる。ポスト遠藤の最右翼に躍り出た男の胸中をオランダで聞いた。(取材・文/サッカージャーナリスト元川悦子)

 ◇  ◇  ◇

「オランダに来て半年が経ち、プレーの質がかなり上がったと自分では感じています。特にプレーのスピード、相手のスピードやパワーへの対応や戦術眼、あとポジショニングもそう。チーム戦術を早いうちから理解できたことは、自分で自分を評価していいと思います。守備に関してもJにいたころと全然、意識が違う。『ここは行くべきか? それともとどまるべきか?』っていう判断が的確にできるようになったし、1対1で勝てるパターンも覚えた。今後はファウル気味でもボールを奪い切ることができるようにしたいですね」

 16年最終戦の12月16日のウィレムⅡ戦。チームは1-2で敗れたが、小林は「収穫が多かった」と強調した。今季前半戦をヘーレンフェーンは4位で折り返した。間違いなく小林が原動力だ。

■英語をしゃべれるようにならないと

 日本ではトップ下としてプライドを高く持ち、エゴイスティックなプレーを押し出すことも少なくなかったが、新天地では黒子に徹しながら、周りを動かす面白さを体得しつつある。大きな進歩といっていい。

「チーム全体を動かすためには(英語を)しゃべれるようにならないと。今は(左隣にいる)左アウトサイドの選手を動かすことはできるようになったけど、まだ試合全体を動かすところまではいってない。こっちではレフェリーも巻き込んで試合の流れを操ることも大事な仕事。円滑にコミュニケーションが取れるよう、言葉を早く覚える必要がありますね」と彼は神妙な面持ちで言う。

 それでも、17年初戦・14日のデンハーグ戦は2-0の白星発進。小林はボランチから1つ下がったアンカーをソツなくこなして零封に貢献した。オランダで好調を維持すれば、代表ボランチの定位置獲得も遠くなさそうだ。

「代表でボランチのレギュラー? トップ下では無理って言われてるような(苦笑い)。まぁ、どこで出るにしても最低限はやらないといけないプレーはある。それは体を張ること、戦う気持ち、それに失点した後の立ち居振る舞い……。そういった細かい部分一つ一つで自分も、もちろんチームも変わる気がします。そこはこれからも大事にしたいですね」

 そう言いながら伸び盛りの男は目を輝かせた。

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