著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

ザルツブルク南野拓実 日本代表復帰へ悲壮な決意を語る

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「W杯最終予選の戦いを知っておく必要が」

 16年リオ五輪出場で合流が遅れ、16―17年シーズンの前半戦は出遅れたが、それでも昨年11月後半から復調した南野。16年最終戦となった12月17日のウォルフスベルガー戦で今季2度目の1試合複数得点をマーク。通算得点を6に伸ばし、2シーズン連続2ケタ得点も見えてきた。冬季リーグ中断期間が明けると11日のザンクトペルテン戦から後半戦が始まる。ここでゴール量産を果たせば18年ロシアW杯アジア最終予選後半戦の初戦UAE戦(3月23日)での日本代表復帰も現実味を帯びてくる。

 ◇  ◇  ◇

「後半戦に向けて、まずはスタメンを奪って試合に出続け、その上でゴールを取れば、風向きも変わってくる。そのためには《攻撃の回数を増やすこと》がより大事になってきます。同時に、プレーの質も上げ、フィニッシュに持ち込んで存在感を見せ、相手に怖さを感じさせないといけない。そういうところを突き詰めていけば、チャンスは必ずつかめる」と南野は自分の“やるべきこと”をクリアにし、冬の中断時期を過ごしている。

 弱冠20歳で迎えた15年10月のイラン戦(テヘラン)。初の日本代表キャップを飾ったが、出場は後半43分からの5分間にとどまった。それから浅野拓磨(シュツットガルト)が日本代表で2ゴールを挙げ、ヘント(ベルギー)に移籍したFW久保裕也も、本田圭佑(ミラン)のポジション・右FWを脅かしつつある。

■「戦力になりたい」

 リオ五輪のチームメートたちに負けてはいられない。後半戦でブレークを果たせば、その先には必ず日本代表復帰がある――。そんな南野の気持ちが伝わってくる。

「久保君が(16年11月のW杯アジア最終予選)サウジアラビア戦に先発したのは(所属)チームで点を取っているから。(ハリルホジッチ)監督も(試合に出てゴールを決めることの)重要性を言っているし、自分も意識していかないといけない部分ですね。2年連続で2ケタ取れば、チームの中でも《信頼される》という部分が変わってくる。得点をコンスタントに取れる選手ってことを証明したい」と意気込む。

サッカー界というのは(メンバーが)入れ替わる時、その動きはスピーディーだと思う。その流れに自分も乗りたい。これまでアンダー世代の代表としてアジアの最終予選を経験してきましたけど、日本代表(の最終予選)には独特な雰囲気があると思う。W杯出場を目指す選手であれば、その戦いを知っておく必要がある。セレッソ大阪の先輩である(MF山口)蛍君も、主力のひとりとしてW杯アジア最終予選を戦ってますが、自分も早くそこに立ちたいですね」

 14年ブラジルW杯の予備登録メンバーだった意地もプライドもある。W杯アジア最終予選後半戦で「戦力になりたい」という悲壮な決意を胸に秘めた若武者の一挙手一投足に注目していきたい。

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