マインツ武藤嘉紀<上> 「代表で何か残さないと…」
2014年ブラジルW杯が惨敗に終わった後、日本サッカーの希望の星となったのが、当時FC東京に所属していた武藤嘉紀だった。慶応大4年に在学しながらプロ1年目に13ゴールを挙げ、アギーレ前代表監督に大抜擢された。ハリルホジッチ監督体制後、16年2月に右ヒザを痛めて長期離脱を強いられて日の丸から遠ざかった。今月のロシアW杯最終予選のUAE戦(23日)とタイ戦(28日)で代表に復帰するとみられる武藤を、ドイツで直撃取材した。
開口一番、端正なマスクを歪めて「去年はホントにツイてなかった。厄年だったし」と苦笑いした武藤。すぐに気を取り直してこう続けた。
「今年は自分にとって勝負の年です。W杯を決める年でもありますし、自分が(日本代表に)何か残さないとホントこのままズルズル(存在感が薄れて)いってしまうと思う。もうひと花咲かせるためにクラブで結果を残し、日本代表でも確固としたポジションも築けたら最高だと思います」
確かに彼の言う通りである。これまで代表を牽引してきたミランMF本田圭佑、ドルトムントMF香川真司といった年長者たちが、所属クラブで定位置を失っている。