ヘント久保裕也<上>「ベルギーでは周囲に違いを見せたい」
欧州移籍マーケットがオープンになった1月、スイス1部ヤングボーイズから、ベルギー1部ヘントに移籍した日本代表FW久保裕也の快進撃が止まらない。新天地デビューとなった1月25日のブルージュ戦を皮切りに6戦4発とゴールを量産しているのだ。今月23日の敵地UAE戦から、W杯最終予選の後半戦がスタートする。サッカージャーナリスト元川悦子氏が冬のベルギーに飛び、日本代表ハリルホジッチ監督が高評価する若武者FWの胸中を直撃。
「最初の2試合は良いプレーをしてないし、ただFKとPKで結果が出ただけ。流れの中で取らないといけないと思っていました」。2月中旬、久保本人は慎重な物言いをしていた。だが、その直後から流れの中から連続ゴール。「クラブ史上最高の移籍金(約4億2000万円)に見合う価値を示した」と現地メディアからも絶賛されている。
「ベルギーに来たのは新たな刺激が欲しかったから。1月に移籍する選手は即戦力という位置付けなので、しっかりチームに貢献したい。3月の日本代表の(ロシアW杯)最終予選には、もちろん呼ばれたい気持ちもありますが、まずはこのクラブで活躍することしか頭にない。ベルギーはスイス以上に相手選手との対人プレーが多いし、全体にスピード感もある。個人でゴールに直結するプレーを見せるなど、何らかの《違い》を周囲に見せないとダメだと思います」とストイックな23歳の点取り屋は、静かな口調で話してくれた。