いまだ4番決まらず…広島「WBC最多3人派遣」の深い刀傷
「今年の課題は4番打者ですね」
「セ・リーグファンミーティング」に出席した緒方監督(48)はこう言った。今年の春季キャンプから、昨季ブレークした鈴木誠也(22)の4番起用を考えている指揮官だが、鈴木はWBCメンバーのひとり。イベントでは「新井はバッティングの状態がいい。開幕戦に4番を打つ可能性が非常に高い。鈴木誠也は昨年以上の成長が見られれば4番に据えようかなと」と話す一方で、「(オープン戦などの)実戦から離れているし、(WBCの影響で)体調面の不安もある」とも言った。
昨季は4番を固定することなくリーグ優勝を果たした“実績”があるとはいえ、緒方監督の不安はこれだけではない。
セ6球団の中で、WBCに最も多く選手を派遣したのは巨人と広島。巨人は坂本、小林、菅野で、広島は菊池、田中、鈴木の3人だ。広島の田中、鈴木はWBCでも出場機会が少なく、調整遅れなどが懸念される。
オープン戦では最下位の巨人に次ぐ11位という不甲斐ない成績に終わった広島。開幕前の調整試合とはいえ、WBC組3人の欠場が大きかったことは否めない。指揮官はそんな焦りを隠せないのか、イベント後の囲み取材では終始不機嫌。テレビクルーに「あ!? テレビ? 何について聞くんだよ!?」と語気を荒らげる場面もあった。