復帰の長野も4回で交代 巨人は頼れる外野ゼロの異常事態
「得点は初回の阿部の犠牲フライ1点だけ。勝ったとはいえ、長野の長引く不振が得点力不足に拍車を掛けている」
巨人OBの評論家、高橋善正氏がこう言った。
鹿児島で開催された19日のヤクルト戦で巨人は初回に阿部の犠飛で先制した。先発の高木勇が二回の打席で右手に投球を当てて負傷交代したが、3日前に支配下登録されたばかりの2番手・篠原が三回から五回まで無失点。うれしい初登板初勝利を挙げた。
■マギーの外野転向も?
とはいえ、打線は8残塁、3併殺の拙攻。心配なのはここ3試合スタメン落ちしていた長野久義(32)である。この日「7番・右翼」でスタメン復帰を果たしたものの、1打席目を二ゴロに終わると、五回表の守備から退いた。打率.149でリーグワースト2位の極度の不振にあえいでいるが、高橋監督も「長野はコンディションの問題? まあ、そうですね」と多くを語らなかった。冒頭の高橋氏が続ける。
「ここまでは4番の阿部が神懸かった三冠王級の働きで引っ張っているが、いつまでも3番の坂本と2人頼みでは限界がある。最近の長野は(14年11月の)右膝の手術の影響なのか走れなくなっているように見える。下半身が弱っているのではないか。これまでは内野の坂本、外野の長野だけはレギュラーが確約されていたが、長野がこんな状態では、外野のレギュラーは誰もいなくなったも同然。全試合出場している立岡は頑張っているが、打率.235。こんな時こそ3年目の岡本はチャンスなのに、それでも代打。2年目の重信もしかり。決め手がない。助っ人ギャレットは二軍で骨折したようだし、FA補強した陽岱鋼は一体何をやっているのか。少し前まで巨人の外野は12球団一、層が厚いといわれたのに、頼れる外野手が不在なのは、懸念材料です」