気になる“引退後” 伊達公子は「キング夫人」になれるか
前回の「時々放談」で触れたように、日本テニス界のレジェンド、伊達公子が2度目の引退を表明した。
直に47歳。最初の引退は26歳で、37歳だった2008年に復帰してその年の全日本選手権で優勝、翌年から世界ツアー挑戦を再開していた。
最初のステージで世界ランク4位まで駆け上がり、シュテフィ・グラフと戦った96年ウィンブルドンの薄暮の準決勝などの伝説をつくったが、2度目のステージでも世界を驚かせる足跡を残した――史上2番目の年長ツアー優勝、39歳の全仏オープンなどでトップ10を破ったのも最年長記録。40歳で世界ランク50位を切ったのはビリー・ジーン・キング以来……。
復帰を手助けした福井烈氏(現日本テニス協会専務理事)は、伊達をこう評したことがある。
「練習で、ファーストサーブの高い集中力を30分維持できた選手を、伊達以外に知らない」
目標への突進力はケタ外れで、引退中にロンドンマラソンに挑戦し、いきなり3時間27分40秒。復帰のきっかけは08年にマルチナ・ナブラチロワ、グラフを招いたエキシビションだったが、その半年前、東京・青山のジムでカメラマンが目撃した練習光景も語り草だ。