SB工藤監督 CS戦力外のベテラン起用は“天日干し”にあらず
キャンプの練習試合のようだった。1日、オリックスとの投手戦を制したソフトバンク。しかし、その内容は、先発のディクソンが120球を熱投したオリックスとは対照的だった。
先発の石川(25)が3イニング、摂津(35)3イニング、中田(35)2イニングとつなげ、最後はサファテが締めた。
CSでは中継ぎ待機が予定されている石川はともかく、中田はCSではほぼ戦力外。摂津に至っては今季7試合目の登板で、2年ぶりの優勝にはほとんど貢献していない。出場機会のない選手をまとめて天日干し……という余裕は今のソフトバンクにはない。終盤戦に入ってから森、嘉弥真、五十嵐らが救援失敗を繰り返し、工藤監督も「ここで使えない人間はCSで使わない」とおかんむりだ。
発言の半分はレギュラーに対する叱咤にせよ、残り半分は本音ではないか。摂津、中田という両ベテランの中継ぎ起用は、リリーフ陣の尻を叩くだけが目的ではあるまい。当たり前だが、CS敗退なら日本シリーズは水の泡。それでは、V逸で日本シリーズ出場を逃した昨季と大差はない。
工藤監督のムチは、いよいよ激しさを増すことになりそうだ。