4人交代の異例人事に何が 阪神フロント大刷新の裏事情
■球団経営にはよりシビアになる
今季、チームは2位に浮上したこともあり、親会社としては、来季の優勝を本気で狙っている。巨人は今季、4位に低迷し、2連覇した広島もCSでDeNAに敗退しただけに、来季はチャンスと受け止めているそうだ。別のOBが言う。
「今回の人事は、もうひとつの意味合いがある。阪神電鉄の親会社である阪急阪神HDに配慮したものだというのです。新オーナー代行は阪神のプロパーだが、同HDの取締役でもある。HDは来年4月、子会社の人間をすべてHDに転籍させる方針。阪急、阪神という枠組みを取り払うことで、今後はより一層、阪急の意向が反映されるでしょう。阪急はかつて、7億円程度の赤字を抱えていた『阪急ブレーブス』を採算が合わないとオリックスに売却している。球団経営にはよりシビアになるでしょう。観客動員、グッズの売り上げなどの営業面はもちろん、金本監督に対しても結果が求められるはずです」
くしくも今年6月、阪神の親会社である阪急阪神HDの株主総会で株主から、「今年優勝できなければフロントの大改革をお願いします」との意見が出ていた。
金本監督が采配を振りやすい環境になった一方で、来季は優勝が至上命令となる。過去2年は課題だった若手育成を言い訳にできたが、来季はシビアに結果を求められそうだ。