外堀埋められ意気消沈 貴乃花親方は理事解任へまっしぐら
■リスク管理規定違反は明らか
その一方で、理事会では貴乃花親方への非難が渦巻いた。高野危機管理委員長が「調査に協力しない貴乃花親方の責任? それは理事会も考えてはいるが、ただちに処分は考えていない。ただ、きちんと協力するのが理事としての責任ではないか」と話せば、事件の報告義務を怠ったことについては八角理事長(元横綱北勝海)も、「そうした話は出ているが、まだ中間報告」と証言した。
執行部に打撃を与えるどころか、まさかの逆風。11月場所中に危機管理委員会から呼び出されたときは貴乃花親方単独だったが、今回は理事、副理事、幹事の中に、少数ながらシンパもいた。にもかかわらず、追及の声の大きさには勝てなかった。
さらに、この日の理事会の決議事項も、貴乃花親方にとっては大きなダメージになる。
「暴行問題に関し、事実の全容を解明し、必要な懲戒を行い、適切な再発防止策を策定するため、すべての理事、監事、協会員、職員が結束して協力し合うことを決議する」――。
極めて当然、改めて決議する必要があるのかという内容が、「実は貴乃花親方には致命傷になる可能性が高い」(ある親方)というのだ。