「後継者…いない」巨人支える阿部慎之助が切実心情吐露

公開日: 更新日:

 昨季巨人は11年ぶりのBクラスとなる4位に終わった。7勝18敗と大きく負け越したリーグ連覇中の広島対策、自身の後継者でもある正捕手争い、一塁のポジションを争う可能性もある将来の4番候補・岡本について、長年チームを支えてきた阿部が語った。

 ◇  ◇  ◇

 ――昨季、チームは4位。得点力不足が最大の要因だ。

「(リーグ優勝した)カープと(総得点が)200点差ですからね。チームとしてこの差をどう埋めるか。ミーティングというか、選手だけのディスカッションが必要じゃないか。今年は少しでもそういう時間をつくりたいと思っています」

 ――リーグ優勝を奪回するには、昨季7勝18敗と大きく負け越した広島戦がカギになると。

「そうですね。対カープが一番だと思います。今年はどれだけ張り合っていけるか。阪神(2位)もそうだし、DeNA(3位)もそう。去年、自分たちより上の3チームには勝たないと優勝はないですから」

■「正捕手問題には関与しない」

 ―――昨季は自主トレに(この日、侍ジャパンに選出された)小林を同行させるなど、自身の後継者でもある正捕手問題も気になる?

「捕手は“問題”なんですか(笑い)? 今年は人に構っている余裕はなかったので、捕手問題にはもう関与していません(笑い)。まあ、ジャイアンツのためにいい争いをしてくれれば」

 ――正捕手に誰が近い?やっぱり小林?

「どうでしょう。ガツガツしたヤツがレギュラーを取った方が勝てると思いますよ。ボクはコーチじゃありません。詳しくは村田(ヘッド兼バッテリー)コーチに聞いてください(笑い)」

 ―――ドラフト1位で入り、将来の4番候補といわれた岡本も4年目。背水のシーズンとなる。

「得意なことを伸ばして欲しい。苦手なことはもちろん練習しないといけないけど、苦手なことばっかりやって、得意なことを殺してしまうこともある。岡本の場合、得意なことを伸ばして伸ばして、苦手なところを少しずつ補っていく方がいいのかなと」

 ――長所を伸ばすことに特化させた方がいいと。

「少し苦手なところを克服しようとし過ぎるかもしれませんね。自分はこれなんだと。これで絶対アピールしようというのは、彼なら長打力でしょう。ボクは練習も、長所を伸ばすためのものに比重を置いてやった方がいいと思います」

 ――このオフ、球団は盛んに「若返り」を強調している。その岡本は一塁もやるからポジションが重なる。昨季4番の自身もベンチを温める可能性がある。

「そうですね。でも、いくら有望株でも、試合に使えない若手をずっと出し続けるわけにはいかない。巨人は勝たないといけないんです。だから、どんな形でも勝利に貢献すること。やっぱり優勝したいですからね」

(聞き手=増田和史・日刊ゲンダイ

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  2. 2

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  3. 3

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  4. 4

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  2. 7

    新庄監督のガマンが日本ハムの命運握る…昨季の快進撃呼んだ「コーチに采配丸投げ」継続中

  3. 8

    ソフトB「二軍の帝王」を悩ます“王の庇護” 自己評価の高さとパワー、潜在能力は一級品も...

  4. 9

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  5. 10

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  4. 4

    広末涼子は免許証不所持で事故?→看護師暴行で芸能活動自粛…そのときW不倫騒動の鳥羽周作氏は

  5. 5

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  1. 6

    【い】井上忠夫(いのうえ・ただお)

  2. 7

    広末涼子“密着番組”を放送したフジテレビの間の悪さ…《怖いものなし》の制作姿勢に厳しい声 

  3. 8

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  4. 9

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  5. 10

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育