「後継者…いない」巨人支える阿部慎之助が切実心情吐露
昨季巨人は11年ぶりのBクラスとなる4位に終わった。7勝18敗と大きく負け越したリーグ連覇中の広島対策、自身の後継者でもある正捕手争い、一塁のポジションを争う可能性もある将来の4番候補・岡本について、長年チームを支えてきた阿部が語った。
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――昨季、チームは4位。得点力不足が最大の要因だ。
「(リーグ優勝した)カープと(総得点が)200点差ですからね。チームとしてこの差をどう埋めるか。ミーティングというか、選手だけのディスカッションが必要じゃないか。今年は少しでもそういう時間をつくりたいと思っています」
――リーグ優勝を奪回するには、昨季7勝18敗と大きく負け越した広島戦がカギになると。
「そうですね。対カープが一番だと思います。今年はどれだけ張り合っていけるか。阪神(2位)もそうだし、DeNA(3位)もそう。去年、自分たちより上の3チームには勝たないと優勝はないですから」
■「正捕手問題には関与しない」
―――昨季は自主トレに(この日、侍ジャパンに選出された)小林を同行させるなど、自身の後継者でもある正捕手問題も気になる?
「捕手は“問題”なんですか(笑い)? 今年は人に構っている余裕はなかったので、捕手問題にはもう関与していません(笑い)。まあ、ジャイアンツのためにいい争いをしてくれれば」
――正捕手に誰が近い?やっぱり小林?
「どうでしょう。ガツガツしたヤツがレギュラーを取った方が勝てると思いますよ。ボクはコーチじゃありません。詳しくは村田(ヘッド兼バッテリー)コーチに聞いてください(笑い)」
―――ドラフト1位で入り、将来の4番候補といわれた岡本も4年目。背水のシーズンとなる。
「得意なことを伸ばして欲しい。苦手なことはもちろん練習しないといけないけど、苦手なことばっかりやって、得意なことを殺してしまうこともある。岡本の場合、得意なことを伸ばして伸ばして、苦手なところを少しずつ補っていく方がいいのかなと」
――長所を伸ばすことに特化させた方がいいと。
「少し苦手なところを克服しようとし過ぎるかもしれませんね。自分はこれなんだと。これで絶対アピールしようというのは、彼なら長打力でしょう。ボクは練習も、長所を伸ばすためのものに比重を置いてやった方がいいと思います」
――このオフ、球団は盛んに「若返り」を強調している。その岡本は一塁もやるからポジションが重なる。昨季4番の自身もベンチを温める可能性がある。
「そうですね。でも、いくら有望株でも、試合に使えない若手をずっと出し続けるわけにはいかない。巨人は勝たないといけないんです。だから、どんな形でも勝利に貢献すること。やっぱり優勝したいですからね」
(聞き手=増田和史・日刊ゲンダイ)