「後継者…いない」巨人支える阿部慎之助が切実心情吐露
プロ18年目のシーズンを迎える巨人の阿部慎之助(38)が順調に沖縄・那覇2次キャンプを送っている。昨年8月、巨人の生え抜きでは川上、長嶋、王、柴田に次ぐ5人目の偉業となる2000安打を達成。通算400本塁打にも残り12本に迫っている。一方でチームは11年ぶりのBクラスとなる4位。低迷するチームについて、なかなか育ってこない自身の後継者について、長年巨人を支えてきた大黒柱を直撃した。
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――昨年8月に巨人の生え抜きでは5人目となる2000安打を達成した。モチベーションは維持できる?
「よくOBに『プレッシャーがなくなって(これからは)楽しく野球ができるなあ』と言われるんですけど、全く楽しくないですね(笑い)。(あと12本の)400本塁打だったり、2500本(安打)を目指すと目標を立てたので、やりがいはあるし、モチベーションも失っていませんよ」
――昨季は主に4番として打率・262、15本塁打、76打点。来月には39歳でチーム最年長になる。
「衰えはいろいろ出てくるでしょうけど、そればかり考えてもしょうがない。例えば速い球に反応できなくなったら、反応ができるところを待とうとか。瞬発力は落ちても、振る瞬発力は落とさないようにとか、頭を切り替えようと思っています」
■「若い選手? 出てこないですね」
――昨季は球団ワーストの13連敗を喫するなど11年ぶりのBクラス4位。チームは過渡期に入り、若手の台頭が喫緊の課題になっている。
「若い選手? 出てこないですね。勇人(坂本=29)がボクの年齢になった時、誰が引き継いでいくのかと。投手では菅野(28)だったり、彼らがいつまでも重荷を背負うことになる。そういうふうにはなって欲しくないですよね」
――そういう自身も、昨季までは主に4番打者として、長年チームの勝敗の責任を背負ってきた。
「この年まで責任を背負えるというのは、やりがいはあります。でもその分、凄く大変でもある。誰かに引き継いでもらいたいんですけどねえ……」
――2014年ドラフト1位の岡本(21)、16年1位の吉川尚(23)らが期待されている。若手野手では誰が後継者なのか。
「後継者……。はっきり言って、まだいないですね。じゃあ、彼らがレギュラーを張って周りも見ながらできるかといったら、1シーズンも戦ったことがないわけで、なかなかできませんよね。レギュラーを張って結果を残せば自覚も出てきます。みんな個人事業主なんですよ」
――若手が物足りない。
「頑張れば給料は上がるし、チームの成績も上がるんだと、若い選手はもっと意識してやって欲しい。みんながそう思わないと、チームとして上がっていかない。ボクも若い時はレギュラーを取るために必死だった。それがチームのためになるんです」