ブラジル4強ならず 王国の守りを崩したベルギーの戦術変更
「ベルギーは基本戦術である3DF―4MF―2攻撃的MF―1FWから、この日は最終ラインを4バックに変更。普段は1トップのFWルカクとMFのE・アザールに2トップを組ませ、しかも両サイド寄りに張らせ気味にした。さらにMFデブルイネを定位置のセントラルMFよりも前のトップ下に配置。勝手が違うブラジル守備陣が混乱を来し、なかなか修正できなかった。ワイド気味の2トップに対応しようとブラジルDFは自ゴール前のスペースを空ける局面が目立ち、ドリブルで進入したデブルイネに強烈なミドルシュートを許しました」
ネイマールを筆頭にタレント揃いの攻撃陣は不発。3日の日本戦で2失点ともろさを露呈したベルギーがDF陣の立て直しを図ったこともあり、大会屈指のFW陣は仕事をさせてもらえなかった。
「シュート数はブラジルが27本(枠内9本)と、9本(同3本)のベルギーを上回ったとはいえ、ネイマールにボールロストが目立ち、それで攻撃陣がリズムに乗り切れずにシュートミスを繰り返した。焦りからシュートの精度をさらに欠くという悪循環に陥りました」(中山氏)
戦術家で知られるブラジル・チチ監督も、今回ばかりは敵将の術中に屈した。