理事長辞任求めず…日大アメフト第三者委員会のドッチラケ
今年5月、世間を騒がせた日本大学アメフト部の悪質タックル問題。7人の弁護士で構成される第三者委員会が、30日最終の調査報告書をまとめ、都内で会見した。日大のドンである田中英寿理事長の進退に注目が集まったが、第三者委員会は田中理事長の責任を認めつつも、辞任までは求めず、なんとも歯切れの悪い内容だった。
報告書では田中理事長について「重要な人事及び配置においても事実上絶大な権限と影響力を有していたが、アメフト部に対するガバナンスの機能不全を放置していた」「学校法人理事長としての説明責任も果たしていない」と非難。しかし、どう責任を取るべきかについては記載されていなかった。
記者から田中理事長について尋ねられると勝丸充啓委員長は、「処分については大学当局の方で判断を行う。第三者委員会の目的はあくまで調査と報告であり責任は果たした」と回答。日大のガバナンスについても「新たな組織の設置や外部人材の登用などで、今のトップがそのままであっても日大の競技部は変わっていくだろう」と楽観的な見解だった。
会見後に日大は、田中理事長が報酬の自主返納(20%、5カ月)を申し出たと発表。トカゲの尻尾切りで内田正人前監督と井上奨前コーチを懲戒解雇し、田中体制のまま幕引きを図る意思を明確にした。説明責任は完全に置き去りだ。