山根会長“死んだふり”辞任 ボクシング界に根強い院政恐怖
仮に日本連盟が体制を一新したとしても、山根会長が長きにわたって積み上げてきた力と影響力を使って、反撃に打って出る可能性がある、と懸念するのである。
現に再興の会が、「辞任の中身がハッキリしない。理事や会員としては残るのか」とする疑念に関しても、同じ日に会見した日本連盟の吉森照夫専務理事は、「理事を含めての辞任というのを私は確信している」という言い方をするにとどまった。連盟の副会長を兼ねる吉森専務理事ですら、山根会長が辞任する職務の範囲を正確に理解しておらず、関西ボクシング連盟の理事長の肩書についても、「理事長、関西連盟の会員資格を辞めるとは聞いていない。それは関西連盟が考えることですから、日本連盟にその権限はない」と曖昧にした。生き返る余地があるということだ。
山根会長は辞任表明前の一部テレビ局の取材に「告発者側と戦う? やります、やります。わたしも人間ですから、法律にのっとってやります」と法的手段で対抗する構えを見せるなど、ファイティングポーズを取っている。
しかも午後5時半に自宅へ戻った際は、報道陣に向けて2本指を立てる謎のピースサイン。翌9日の毎日新聞は、このピースサインが「会長と理事の2つを辞めるということ」と山根氏が語り、会長と理事を辞め連盟も退会する意向を明らかにしたと報じたが、山根氏がこのままおとなしく引き下がるつもりがないことだけは間違いない。