【観戦記】勝てた試合…慶応が高知商に大敗した3つの理由
3つ目は「継投のタイミング」。生井は4回途中12失点で降板したが、交代機は7失点した二回途中である。結果として2番手の渡部は5回3分の2を無失点と好投しただけに悔やまれる。初回に1失点し、二回に3、4失点のところで交代しないと遅い。仮に5失点で渡部にスイッチしていれば、6-4か6-5で勝っている試合。森林監督の中で2人の投手に対する信頼度の差はあったにせよ、この日の生井はスライダーでストライクが取れないだけでなく、ホームベースのかなり手前でワンバウンドする球もあった。
慶応の部員数は105人。神奈川県内最多といわれる。県外生も多い。数年前に推薦入試の基準が下がったことで、U15日本代表クラスがゴロゴロ入学できるようになったと聞く。それなのに、この日のようにミスが続出してしまうのは、普段からそういう練習をやっていないからではないか。
一方、高知商の上位打線は破壊力がある。特に1年生で「2番・三塁」の西村が2安打3打点でチームを引っ張る。3回戦は星稜に逆転勝ちした済美と対戦する。打線はいい勝負だが、済美打線が北代の低めのスライダーを見極められるか。投手力の差で済美が有利とみている。
(元・横浜高野球部長)