林家正蔵さん<2>所ジョージさんに勧められ高級車を買うと
30歳になるころには二木ゴルフ契約のレッスンプロと待ち合わせて、練習は週5日と本格的になっていきました。
1、2階とも15打席あって、鳥カゴみたいなところでした。そこに雨が降ろうと、雪が降ろうと、毎日のように通い詰めました。
鈴本演芸場に近いために、そこには先輩落語家の方々もたくさん練習に来てました。
「こぶちゃん、ゴルフもいいけど、落語も勉強しなきゃだめだよ」なんて冷やかされるほど、ゴルフに熱中しましたね。
週末にはゴルフコースでプレーです。まさにゴルフ中心の生活が続いていました。
実はそのころまだ、自動車の免許証を持っていなかったんです。それで、弟子や事務所の人にゴルフ場まで送ってもらっていたんです。
でも20代の後半ですから、運転手付きでゴルフというのもあまり見栄えのいいもんじゃありません。
そのころすでに、父親代わりといいますか、親しくお付き合いをさせていただいていたのが所ジョージさん。「ゴルフやるの?」と聞かれて「やります」と答えると「どのくらいで回るの?」と言うので、「100切るくらいです」。「ああそう、じゃあいいよ、行こうよ」となった。