吉田輝星は球筋に“角度”を加えられるフォームを覚えたい
夏の甲子園で彗星のように現れ、その剛速球で強敵を次々とやっつけて、最後に無敵・大阪桐蔭に粉砕される。
ドラマチックな展開の中で、すっかり「時の人」になった。
生き物のように見えた低めの速球の伸びや、ツーシーム、スプリットを使い分けるピッチングセンス。多少動作は大きいが、一塁牽制のスピードにも目を見張ったものだ。
半面、スライダーで緩む腕の振りや、気持ちが態度や表情に出やすい部分……いかにも高校生らしい<幼さ>もチラチラした甲子園だった。
甲子園までは<進学>するつもりだったと聞いた。早くからその大学の監督さんから指導を受けて、それで成長できた……とも聞いている。
ならば、<相性>もいいはずだ。結構な話だと考えていたが、志望届の期限ぎりぎりで「プロ入り」を表明した。
楽な道ではないかもしれない。なにかにつけて、人気者は肩も背中も重たいものだ。
球筋に<角度>を加えられるフォームを覚えたい。