藤原恭大の「走者を走らせない」スローイングは希少価値
バッティングさえ、木製バットに対応できるようになったら、「1番センター」は10年心配なし。そういう選手だと思う。
本人は<足>にいちばん自信を持っているようだが、私には強肩と守備ワークが強烈な印象になっている。いつでもカットできる高さで70メートル前後投げられるスローイング能力は希少価値があり、強力な実戦力になる。低く伸びる返球は、カットされるのを気にして、走者の進塁意欲を消し去ることができる。走ってくる走者を刺すのも強肩だが、走者を走らせない強肩のほうがさらに質が高い。
センターを守って、左中間、右中間への<初動>の速さは、天性の反射神経か。おそらく、彼なりの打球方向の<想定>もあるのだろう。それがなければ、ああは素早く反応はできない。
バッティングは、タイミングの始動が早くなって、明確なトップがとれるようになれば、もっと怖い打者になれる。
詰まるのを恐れることはない。自分のゾーンで待ち構えられるようになれば、変化球を追いかけることも減ってくるはずだ。
▽ふじわら・きょうた 00年5月6日、大阪府生まれ。181センチ、78キロ。左投左打。