根尾に指名集中する隙に…西武が吉田輝星の“一本釣り”画策
今夏の甲子園で準優勝投手に輝いた吉田輝星(金足農)といえば、一時期は「ドラ1指名間違いなし」といわれた逸材。大会中から巻き起こった「金農フィーバー」もあり、全国にその顔と名前が知れ渡った。
それが二刀流の根尾(大阪桐蔭)人気に押されてか、いまや「外れ1位じゃないか」ともいわれる始末。しかし、あるスカウトは「西武が一本釣りを狙っている」と話す。
西武は今季、チーム防御率4.24と投壊状態。いくら吉田が逸材とはいえ、育成に時間のかかる高校生より即戦力投手を指名するともっぱらだが、「だからこそ吉田なんですよ」と、このスカウトが続ける。
「現時点で上茶谷や甲斐野らの大学生投手と比べても技術、体力はひけをとらない。少なくとも西武はそう判断していて、獲得すれば来季の球宴前くらいには一軍デビューさせる青写真を描いているとか。そういえば、2014年ドラ1の高橋光(前橋育英)も、1年目の15年8月に一軍初登板を果たしている」
その西武は12球団で唯一、金足農に調査書を出していないという。しかし、調査書を出さなくても指名はできる。松坂のときも調査書は出さなかった。つまり、他球団に大学生や社会人の即戦力を狙うと思い込ませることでライバルを減らす。根尾に指名が集中する隙に、一本釣りする狙いに違いない。