ドジャース前田健太が高評価 田中・ダル・大谷にないもの
30年ぶりの世界一を目指すドジャース投手陣を支えているのが前田健太(30)だ。
レギュラーシーズン終盤からセットアッパーに配置転換され、ポストシーズンは6試合(計4回3分の1)を6安打2失点。守護神ジャンセンへのつなぎ役を務めている。
ロバーツ監督は不慣れな中継ぎをこなす前田を「ケンタがいるので、ブルペンの選択肢が増えた」と絶賛。「(中継ぎは)難しい調整を強いられるが、彼の投球を見る限り、心配ない」と、信頼を寄せるのは当然だ。
何しろ前田はメジャーの過酷な環境下で“故障知らず”。16年に入団してから、太腿や股関節の張りを訴えて故障者リスト(DL)入りしたことはあるが、中4日の短い登板間隔でも、肩や肘を痛めての離脱は一度もない。契約時に受けたメディカルチェックでは、肩、肘に異常が発覚。基本年俸約3億3000万円と買い叩かれたものの、長期離脱することなく、マウンドに立ち続けているのだ。
今季は先発、中継ぎでフル回転。39試合に登板した前田の働きは、多くの日本人投手と比べて特筆に値する。最近の先発投手では、レンジャーズ・ダルビッシュ(僧帽筋)、ヤンキース・田中(右肘)、エンゼルス・大谷(同)らがこぞって入団3年目までに肩、肘を痛めてDL入りした。ダルと大谷は復帰までに1年以上を要するトミー・ジョン手術を受けたほどだ。
大谷ら他球団のエース級と比べて地味ながら、簡単に壊れない丈夫な肩、肘にこそ、前田の価値がある。