反町康治さん<3>誕生日に誘われ銀座のクラブでドンペリを
「嫌いな先輩に『飲みに行くぞ』って連れて行かれて、閉口したこともありました。散々クダまかれて怒られて、日付が変わる時間になってやっと帰れると思ったら、『俺の家に来い』って……。当時は部下や後輩がノーと言えるような時代じゃなかったし、サラリーマンだったら付き合うしかなかった。それでも朝から会社に行って、午後は練習、週末は試合。休みなんてなかったですね。“24時間戦えますか”ってCMがあったけど、本当にそんな感じで、気付いたら右と左で全然違う革靴を履いて出社したこともあったんだから。睡眠時間も削っていたし、自己管理なんて全然できない。それでサッカーをやってたんだから、驚くよね」
時代はバブル経済の真っただ中。仕事は忙しかったが、アフターファイブは楽しいこともあったという。
「おい、ソリ、きょう誕生日だろ? お祝いしようって、銀座のクラブに連れて行ってもらったこともありました。初めての店だったけど、ドンペリなんか出てきてね。両隣に座ったホステスに『誕生日なんですよ』って言ったら、2人ともさっといなくなって、10分後にアルマーニのネクタイをプレゼントです。当時、銀座の道端でいろいろと売ってたでしょ? もう二度と会うこともないであろう相手なのに、わざわざ店を出て買ってきてくれたんです。いい時代だったな~。それで帰りはチケットだから、今となっては考えられないですよね」