米公式球とザル守備…マリナーズ雄星の肩肘に“二重の負担”
「メジャー公認球は、当時のプロ野球のボールと比べて大きく重い。それに表面がかさかさして滑りやすかった。慣れたつもりでも、ブルペンで投げるのと実際に打者に対するのとではかかる負担も違う。とにかく滑るため、ボールが上ずる。低めに投げようとするあまり、無意識のうちに指先に力が入る。普通に投げても前腕の内側が張るが、外側の筋肉にも張りが生じ、やがて炎症を起こした」
菊池も滑りやすいボールには苦心している。握りを替え、常にボールを触ることでだいぶなじむようになってきたらしいが、実戦ではスライダーが抜ける場面も。変化球の精度を上げることを課題にしているだけに、滑りやすいボールを思うように操ろうとすればするほど指先や前腕に負担がかかることになる。
■脆弱な二遊間
メジャー公認球への対応に加えて、マリナーズのチーム事情が菊池の左腕にさらなる負荷をかける。脆弱な守備陣のことだ。
オープン戦初マウンドでは遊撃手や中堅手のマズい守備が失点につながった。マリナーズの外野はともかく、内野守備はザルと言っても過言ではない。