菊池雄星の育成秘話 西武・小野和義投手Cが今だから明かす
2009年ドラフトで6球団が競合した末、西武に入団。16年から3年連続2ケタ勝利をマークし、このオフに入札制度でマリナーズに移籍した菊池をルーキーイヤーから2年間指導したのが、西武の小野和義投手コーチ(53)だ。1年目の10年は二軍担当、翌11年は一軍コーチとして菊池の育成に携わった。
■ジーパンが入らない
「雄星かあ……。ランニングだけはとにかくやらせたね。左肩をケガして二軍に来たものだから、上半身はほとんどいじらなかった。ただ、ひたすら走らせたよ。量? タイムトライアルなども含めて、1日5キロは走らせた。あとは今で言うアジリティートレーニングに時間を割いたよ」
西武投手陣が練習で走り込む量は、12球団でも一、二を争う。左肩の故障となれば、なおさら走るしかない。その甲斐もあって、1年目のオフには見違えるように下半身が大きくなったという。
「いつの時期だったかは忘れたけど、雄星が『小野さん!ジーパンが入らなくなりました!』って報告に来た。オレが雄星を育てたわけじゃないし、そんなことはまったく思ってないけど、基礎をつくったことだけは間違いじゃないと思っている」