力投より緩急 大船渡・佐々木朗希“MAX140km”の投球センス
新時代の怪物見たさに、岩手の田舎町に2800人の大観衆が集まった。
3日、大船渡(岩手)の佐々木朗希(3年)が住田との春季県大会地方予選2回戦に先発。最速163キロを誇る右腕もこの日は140キロ止まり。変化球を有効に使い、3回1安打無失点に抑えた。チームは大量17得点を挙げ、5回コールド勝ちで県大会出場を決めた。
「コントロールを意識し、変化球を試しながら4、5割の力で投げた。四球がなかったのはよかった。いろんな引き出しをつくれた。これからもテンポのいい投球をしたい」
試合後の佐々木本人の言葉だ。相手が相手、ということはあるにせよ、4、5割の力というならいわばキャッチボールの延長。160キロを期待したファンやマスコミはガッカリしただろうが、4月20日の仙台育英との練習試合でも、変化球主体でストレートの最速は150キロにとどまった。
■「まだまだ成長途上」
同校の国保監督によれば、佐々木は4月中旬に骨密度を測定した結果、大人の肉体になっておらず、体がスピードに耐えられる状態ではないという。昨年は成長痛も経験した。現状は肩肘への負担を考慮し、過度な登板を避けている。アマ球界に詳しいスポーツライターの安倍昌彦氏は言う。