阪神藤浪トラウマ消えず“昇格試験”ヤクルト二軍戦で大乱調
■150キロ超で制球に乱れが
藤浪が新人年から3年連続で2ケタ勝利を挙げた“全盛期”に対戦した経験があるヤクルトの打者からは、口々にこんな声が聞かれた。
「かつては目いっぱい腕を振り、うなるような直球を投げていた。ボールも適度に荒れていたから芯で捉えづらかった。今は何より腕が振れていない。打席でぶつけられるんじゃないかという恐怖心はあるけど、球に迫力はなかった」
前出の編成担当によれば、最速160キロを誇る藤浪がバランスよく投げているときの直球の球速は、140キロ中盤から後半。150キロを超えてくると制球が乱れる確率が高くなるという。球界OBが言う。
「セットポジションになるとより一層、腕が横振りになり、制球が乱れる。その悪い癖は直っていない。藤浪の直球はもともと横回転する上に回転数は多くない。ホップ成分が少ない分、打者の手元で垂れるように見え、上っ面を叩いてゴロになりやすい。藤浪は球速を抑えて“ゴロ投手”としてモデルチェンジするつもりなのかもしれないが、肩肘をケガして速い球が投げられなくなったというならまだしも、それでは持ち味である荒々しさが失われる。かつての郭李建夫(台湾)のように、150キロを投げる剛球投手が阪神入団後に小さくまとまるパターンはあるにせよ、そうするしか復活の手だてがないとしたら、寂しいものです」
阪神でかつての輝きを取り戻せるのか。