南米クラシコより北中米カリブ海のサッカーを感じたかった
トラブルはまた起こった。度重なると心が折れるもの。今回がまさにそうだった。
コパ・アメリカの取材で訪れていたサンパウロを離れ、コロンビアのボゴタ経由でニューヨーク入りした。北中米カリブ海王者を決するCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)主催のゴールド・カップ取材のためだ。
会場のあるフィラデルフィアまでは陸路で2時間の距離。車を借りて自走するつもりでいた。しかしーー。車は貸せないとレンタカー会社で告げられる。「国際免許証は日本の運転免許証をあわせ持たないと効力がない」というではないか。
ブラジル滞在中に財布をすられることを恐れた筆者は、免許証など“必要のないもの”は、すべて日本に置いてきた。しかし<必要なもの>だったということになる。
手配済みのフライトの変更など、これからのスケジュールすべてを狂わせることを意味した大問題。さすがに心が萎えた。
親切心なのか、それとも商売心なのか、レンタカー会社のスタッフから片道430ドルでタクシー手配が可能と告げられた。安いLCCのエアーチケットよりも高額である。いくら何でも高過ぎる。マンハッタンまで地下鉄で移動。バスに乗り継いで向かうことを決した。スーツケースを引きずりながら、である。