全英OP初優勝S・ローリーが見せた“リンクスゴルフ”の真髄
【全英オープン】最終日
1951年以来68年ぶりに「全英オープン」が開催された北アイルランドのロイヤルポートラッシュGC。「クラレットジャグ」(優勝トロフィー)を初めて手にしたのはアイルランド出身のS・ローリー(32)だった。通算16アンダーの首位発進から、強風や横殴りの雨に見舞われながら1オーバーの72にまとめ、2位T・フリートウッド(28)に6打差をつける、ただ一人2ケタアンダーの通算15アンダーで優勝。30センチのウイニングパットを決めた瞬間、18番グリーンは歓喜の渦に包まれた。
「家族、キャディーに感謝したい。(優勝トロフィーを)母と父、家族に渡すことができて幸せだ」(ローリー)
今年は久しぶりに「全英」らしい過酷なコンディションが選手を苦しめた。ボールは強風に流され、膝上まで伸びた深いラフにつかまる。ウエッジでもフェアウエーに出すことさえままならない。雨と冷たい風で体温は奪われ、レインウエアを着たり、脱いだりも煩わしい。
だが優勝したローリーは「リンクスではこんな天候は当たり前」と言わんばかりに淡々とプレー。雨が弱くなるとすぐにレインウエアを脱ぎ寒さも気にせず半袖になった。ティーショットやアイアンショットは風の影響を受けにくい低弾道のボールを打ち続け、第1打をラフに入れてもどうにかボギーで抑えた。ローリーは4日間で23バーディー、8ボギーでダブルボギー以上はない。