「殴られる方がマシ」鉄拳制裁より悪質な“パワハラ”の実態
■「選手ではなくコーチを殴れ」
評論家の小川邦和氏は「今回の緒方監督による暴行問題は、全力疾走を怠った野間のプレーが直接的な原因だが、それ以前に兆候はあった」とこう続ける。
「今季の開幕直後から、緒方監督はチャンスで何度も野間に犠打のサインを送り、野間がそれを失敗する場面があった。十分に3割を打つ能力のある野間に対して犠打のサインを出すこと自体、私は愚策だと思っている。しかも、野間はお世辞にもバントがうまくない。打撃技術が高く、しかも、バントが不得手の選手に対し、何度も犠打のサインを出すのは、ある種のパワハラですよ。選手の能力を生かそうとしていないし、信用していない。緒方監督には度重なる犠打失敗による不満がたまっていたはず。それが、走塁ミスで爆発した。当然、野間は野間でミスを減らすための努力をするべきですが、同じミスを繰り返すのは、指導者の責任の方が大きい。野間のミスに頭にきて手を上げるなら、しっかり指導できていないコーチを殴れと言いたい」