4番の仕事と“二刀流” 広島・誠也は巨人蹴散らす「得点王」
やはり広島はこの男だ。13日の巨人戦に4番で出場した鈴木誠也(24)である。敗れるか引き分けで自力優勝が消滅する大事な一戦。二回に中前打で出塁すると、続く松山の右中間への二塁打で、一気に本塁へ生還した。
1―1で突入した延長十一回にも先頭で打席に入ると、弾丸ライナーで左翼フェンスを直撃する左越え二塁打。1死満塁から磯村の犠飛で快足を飛ばし、サヨナラ勝ちを決める生還を果たした。
この日は2安打2得点の活躍で打率はリーグトップの.339、22本塁打、71打点をマーク。特に「4番なのでこだわりたい」としている打点はトップのソト(DeNA)と8点差。十分、射程圏内だ。打って良し、かえして良しは4番の仕事だが、この男の凄みはそれだけではない。これに「出て良し」が加わる。本塁にかえってくる「得点」が87でリーグトップなのだ。
4番だからと大振りをするケースは少ない。この日の2安打はいずれも先頭打者として、インコースの高めと低めをそれぞれコンパクトに振り抜いた。状況に応じてチャンスメークもできる。鈴木は今季、巨人バッテリーの執拗なインコース攻めにあっている。「それは分かっています。今に始まったわけじゃありませんけど、だったらそこを狙えばいい」としたたかだ。