奥川は眉ひとつ動かさず…ヤクルト1年目でフル回転の不安
だが、このチームには育成に時間をかける余裕はない。投壊が深刻で、チーム防御率4・78、739失点は12球団ワースト。防御率は4年連続4点台と、投手陣はボロボロだ。
その上、もともと、新人を積極的に使っていく球団だ。昨年までの14年間で高卒投手5人を1位指名しているが、村中(2005年)、増渕(06年)、由規(07年)、赤川(08年)、寺島(16年)の計5人全員が1年目に一軍デビュー。結果、軒並み故障や不振にあえぎ、寺島は1年目のキャンプで故障。左肘痛も発症し、3年間で登板は5試合にとどまっている。赤川は実働6年、増渕は7年でユニホームを脱いだ。
ヤクルトに交渉権が確定した瞬間、高津監督の笑顔とは対照的に、眉ひとつ動かさなかった奥川。その表情には故障への不安も含まれているか。